父からの手紙と母から譲り受けたもの

お盆に入ったある日
母から電話が来た。
「いつ、こっちに来るの?」

本業は休みだけど
副業は通常通りで
お盆休みは二日しかなく
29日なら大丈夫。と伝えると
「それじゃ、29日。皆、鰻が食べたいんだよ」と母。

暫く日にちが経って
また母から電話。
要件を上手く伝えられない母に
???が私の頭上に浮かぶ。
どうやら両親と弟で鰻は既に食べて
当初の目的は達成されたようだ。
「デパート散策をしたいのよ」と母は言った。

そして、当日の朝、確認の為
私から連絡すると、デパート散策は母一人で
昼食を一緒に食べようということだった。

待ち合わせ場所に向かい
美味しいと評判の蕎麦屋へ…
そこで渡されたのは
父からの小さな手紙と


 母に譲って欲しいと
お願いしておいたブローチたち。


父は10年以上前に
脳梗塞で入院をしたことがある。
病気になる前も
それなりに回復した現在も
綺麗な字を書く人だ。
実は絵も上手で
大手重工業の設計の仕事をしていた。

母曰く
「もともと手先が器用な人だから…」

母は来年80歳を迎える。
母方の祖母は
母が学生の時に早世した。
とても辛かっただろうと想像できる。

親孝行らしいこともせず
時間だけが過ぎて行く…
何かしないといけないように思えるし
今のままでもいいような気もする…

まぁ、まずは休みを確保して
両親の家へ顔を見せに行くのが
一番だろうな…

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