真夏の夜の夢とラクロワ



20代の頃、オートクチュールコレクションなどを
TVで観ていた時期がありました。
パリ、ミラノ、ニューヨークなど…
そんな中、特に異彩を放っていたのは
クリスチャン・ラクロワでした。
どう考えても、この方の服は芸術性が高くて
売れる気がしないと私は感じていました。
その後は仕事が忙しくなり
コレクションを見る機会はなくなりました。

あれから随分、時は流れ…
先日、パリ国立オペラ座バレエ公演を録画。
演目にメンデルスゾーン作曲の
「真夏の夜の夢」があったからです。
8月に演奏予定でして…
曲のイメージがつかめず
自分の中で迷いもあり
視覚に訴えるバレエなら
何か得られるかもしれないと見ることにしました。



振り付けはバランシン。
衣装と舞台美術は、あのラクロア。
メンデルスゾーンの曲に
バランシンの振付と配役が生きる衣装
ダンサーを浮かび上がらせる照明。
シェークスピアのストーリーに合わせた舞台美術。
本当に見事の一言。ラクロワの才能に脱帽でした。

シェークスピアが「真夏の夜の夢」を
書いたのが1595~1596年。
メンデルスゾーンが「真夏の夜の夢」を読んで
まず序曲を作曲したのが1826年。
バランシンが振付したのが1962年。
そして、2017年。
衣装、舞台美術を担当したラクロワ。

以前から教育、文化、芸術(保護も含む)には
手間も、暇も、そして
お金もかかって当たり前…という考えの私。

シェークスピアから421年の歳月を経て
現代に残された遺産に
関わることの責任と面白さを感じる
今の自分の環境を有難く思います。

ところで、「真夏の夜の夢」の
バレエを観てどうだったか。
やはり、得るものは多く、観て正解でした。













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