リン⑭



遊んでいる時に、加減が出来ず
ユキに数か所、怪我をさせてしまったリン。
里親は、どうすればいいか。
真剣に考えることにしました。

まずは、リンのハイパーエネルギーが
ユキだけに行かないよう里親が遊んで、発散させること。
そして、爪を切ること。

ユキがエリカラをつけていた
28日から29日にかけての深夜
散々、おもちゃを投げて走らせ
ヘトヘトにさせて、いよいよ爪切り作戦決行。

まだ、遊ぶふりをして
おもちゃを投げ入れ、和室に誘導。
もちろん、いつもどおり
「いやー。たちゅけてー」と鳴くリン。
自分が怪我をしたにも関わらず
ユキは「やめてあげて…」と鳴く。
しかし、里親の意思は固く
リンを確保しようとすると
今度は「うー。」っと威嚇。
それにもひるまない里親に
いつもと違うと察したのか
逃げられないと観念したのか、うずくまるリン。
そして、里親の足の間に体を挟まれ
前足を懸命に隠すが、爪を切られる。

爪が切り終わり
襖を開けると一目散に逃げ
和室にいる私を入口から見ている
リンにこう申し伝えました。

リンはうちの子になったの。
うちに来た頃の可哀想なリンじゃない。
だから、わがままは許しません。

リンは保護された時
「威嚇して可愛くないからいらない。」
と言われた子です。
そんなリンに対して可哀想な子。という
思いを私は強く持ちすぎていました。

ユキに怪我をさせ、ユキに怒られる
リンの方がもっと可哀想。
ユキもリンも行くところがないから
うちの子に迎え入れた。
だから、里親はお嬢ちゃんたちの為に
意思を強く持たないといけない。

翌朝、リンは前よりも
私に体をすり寄せる回数が増えました。

少し言葉が通じているかな…と
感じた瞬間でした。






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