祖父

夜に来る生徒のレッスン前に
遅いおやつとお茶をいただきながら

現職の大統領として初めて
広島を訪問するオバマ大統領の

TV中継を見ていました。

長崎に原爆が投下された翌日
祖父は親類を心配し

爆心地の近くへ一人で行き
1年後に亡くなっています。

満州から家族全員
早めに引き揚げることができたのに…

戦争が終わるのがもう少し
早ければと、何度思ったことでしょう。

戦時中より祖父が亡くなった戦後の方が
生活はとても苦しかったと聞いています。

生前の祖父の話しを聴くと
心の広い人だったようです。

戦前から家にオルガンがあり、伯母は

親族の誰かが、音楽をやってくれたらいいなと思っていたら

エッチャンがやってくれて伯母さん、とても嬉しいのよ。と
言われたことがありました。

数年前、伯母から父に手渡されたモノクロ写真…

椅子に腰かけた若い祖母の横に
丸い黒縁の眼鏡をかけ、背広を着て

穏やかな雰囲気でたたずむ
祖父の写真を1枚だけ見たことがあります。

8月9日と終戦記念日が来ると
祖父に会ってみたかったな…と
いつも思っていました。

広島を訪問するオバマ大統領の姿を見て

祖父を思い、今日は自然と涙がこぼれました。

じいちゃん！
もう少し時間を見つけて墓参りに行きます！

2匹のお嬢ちゃんたちがいるから
日帰りになるけど許してね。